ポーカーの基礎知識である「バリューベット」を、皆さんは知っていますか?
バリューベットって何?
価値のあるベットってこと?
直訳すると合ってるし、大きな意味ではそういう意味だね。
それじゃ、今回は、バリューベットの意味・使うべきタイミング・効果を上げる方法を紹介していくよ!
ポーカーの基本ルールに関しては、こちらの記事で詳しく紹介しているので、ぜひこの記事と一緒に読んでみましょう。
✅今回の記事で分かること
- ポーカーにおけるバリューベットの意味
- ポーカーでバリューベットを打つべきタイミング
- ポーカーにおいてバリューベットの効果をあげる方法
それでは、まず、「バリューベットの意味」について紹介していきます。
【ポーカーの基礎知識】バリューベットとは
バリューベットとは、バリュー、つまり、自分が勝った時の賞金(ポット)を最も大きくするためのベットです。
バリューベットを打つべきタイミング
バリューベットを打つタイミングは、大まかに言うと「自分の手札が強く有利な時」です。
強いと考えられるタイミングはいくつかありますが、以下の3つのタイミングは「バリューベットを打つベストタイミング」だと言えます。
【タイミング1】自分の手札が最も強い(ナッツ)時
ゲームの場に出たカードを見た時に、現状で作ることができる最も強い手札のことを「ナッツ」と言います。
ナッツとなる手札が自分にきた場合は、その時点で勝ちが確定するので、後は「賞金をいかに増やすか」にゲームの目的が変わります。
そのタイミングで使用するのが「バリューベット」です。
例えば、自分の手札が♧K・♡Kで、プリフロップ(最初の3枚)のカードが♤K・♤Q・♧A、ターン(4枚目)のカードが♡8、リバー(5枚目)のカードが♢Kであったとします。
この場合、自分はKのフォーカードが揃っており、相手がどんな手札を持っていようと負ける可能性がありません。
そのため、相手にどれだけ大きい金額でコール、またはレイズしてもらうのか、が鍵となります。
例えば、相手が♡A・♤Aを持っていたとすれば、オールインをしても勝負に乗ってきてくれるでしょう。
【タイミング2】相手がナッツの1つ下の強さの手札と予想される時
相手がセカンドナッツ(ゲームの状況において2番目に強い手札)の場合は、大チャンスです。
このような、バリューベットをする対象になるだろう手札を持った相手のことを「バリューターゲット」と呼びます。
例えば、Xさんの手札が♡A・♤Aで、Yさんが♧K・♡K、プリフロップ(最初の3枚)のカードが♤K・♤Q・♧A、ターン(4枚目)のカードが♡8、リバー(5枚目)のカードが♢7、だったとしましょう。
※この場合、Yさんも勝てると思っているため、バリューベットを仕掛けてくるかもしれません。(バリューベットを仕掛けているつもりが、カモにされている)
Xさん自身は「Aのスリーカード」が完成しており、ナッツとなるため、負けることはありえません。
しかし、Yさんは「Kのスリーカード」が完成しており、セカンドナッツとなるため、大きくレイズしたとしても「Xさんはブラフか、まあまあ強い手札(でも自分は負けない)のどちらかだろう」と考える可能性が高く、基本的には勝負に乗ってくれます。
このようなビックチャンスだと考えた時は、バリューベットを仕掛けるタイミングとなります。
【タイミング3】自分のポジション(順番)が最後に近い時
ポーカーにおいては、ポジションが後になればなるほど有利とされています。
バリューベットにおいても、ポジションが後の方が仕掛けやすいです。
相手が自信のない手札であった場合、自分の順番が最初の方でレイズやベットしてしまうと、すぐにフォールドされてしまいます。
相手が先に仕掛けてくれると、その表情や金額から相手の強さを予測することができるため、できるだけ順番が後の方で仕掛けると良いでしょう。
バリューベットの効果をあげる方法
バリューベットを打つべきタイミングが分かったところで、相手が乗ってきてくれなければ仕掛ける意味がありません。
こちらでは、バリューベットの効果をあげるために有効な2つの方法を紹介します。
【方法1】自分の手札を弱く見せる
バリューベットは、相手がコール以上のアクションをしてこないと意味がありません。
そのため、相手から「この人の手札は私の手札より弱いな」と思われている方が都合が良いです。
意識としては、相手から「ワンペアくらいの手札で勝負にきている」と思われるように振る舞うと、相手がコールやレイズで勝負を続けてくれます。
【方法2】相手自身に「私がナッツだ」と思わせる
1番上の手札を持っている、つまり、相手が「自分自身がナッツだ」と考えさせることができれば、相手から大きくチップを奪い取ることができます。
相手にナッツだと思わせるために、
- 最初の方はコールで付き合う
- ”途中で良い手札がきたからベットした”と見せかける
といった手段を取ると、相手の確信が強くなるので、相手を持ち上げるようなベットをして、賞金を積み上げていきましょう。
バリューベットに関してよくある質問
ここでは、バリューベットに関してよくある質問とその回答を紹介します。
バリューベットに関してよくある質問
- バリューベットとブラフベットの違いは?
- バリューベットの判断は何を基準に行うべき?
- シンバリューベットって何?
- 適切なベットサイズはどれくらい?
- バリューベット成功のコツは?
バリューベットとブラフベットの違いは?
バリューベットについて調べている中で、「ブラフベット」との違いについて分からなくなったという方もいるのではないでしょうか。
両者の違いを端的に整理すると、以下の通りです。
バリューベットとブラフベットの違い
- バリューベット……自分のハンドが勝てそうな時に、獲得できるチップをできるだけ増やすためのベット
- ブラフベット……自分のハンドが負けそうなときに、相手に何とか降りてもらうためのベット
端的には、勝てそうなときにできるだけチップを狙う方法と、負けそうなときに何とか損失を減らすための方法と整理できるでしょう。
いずれも相手との読み合いや騙し合いが必要とされるテクニックですが、使用するタイミングは正反対です。
バリューベットの判断は何を基準に行うべき?
バリューベットについて考える際には、以下のポイントを押さえることが重要です。
バリューベット実行時に考えるべきこと
- 現状で考えられるナッツは?
- 対戦相手のハンドは?ハンドリーディングできる?
- 自分のハンドと対戦相手のハンドはどちらが強い?
- ベットサイズはどうする?
- ゲームに参加しているプレイヤーは何人?
いや~、結構いろんなことを考えなくちゃいけないんだな……
そうだね……上記をしっかりと考えたうえでないと、バリューベットを成功させていくのは難しいね……!
ハンドリーディングに関しては、以下の記事で解説しています。
「どうすれば利益を最大化できるのか」を考え、バリューベットの練習を続けてみましょう。
シンバリューベットって何?
バリューベットについて調べている中で、「シンバリューベット」という言葉が出てきて気になった方も多いかもしれません。
シンバリューベットとは、自分のハンドが強くも弱くもない微妙なハンド(「マージナルハンド」と呼びます)である場合に、相手のコールに対して50%以上の確率で勝てると判断した際にするベットのことを指します。
先ほどお話しした通り、バリューハンドとブラフハンドのどちらかに二極化してプレイするのがポーカーの基本です。
そうした意味では、シンバリューハンドはより深い計算と読みが求められる、中~上級者向けの方法だと言えるでしょう。
しっかりと成功させるには、コンボ数と呼ばれる細かい確率論についてまでプレイ中に判断できるようにならなくてはなりません。
適切なベットサイズはどれくらい?
バリューベットを行う上で重要な要素の1つが、ベットサイズの決定です。
結論からお話しすると、バリューベットにおけるベットサイズはボードによって変わります。
バリューベットにおいてはなるべくベットサイズを大きくしたいものですが、一方でフォールドさせない程度の範囲にとどめる必要があります。
えっと、ボードってなんだっけ……?
ボードは、コミュニティカードのことだと思っておいて大丈夫だよ!
ボードがウェット(大きな役が揃う可能性が高い)であれば、相手にドローを引かれる可能性が高いため大きめなバリューベットが想定されます。
一方でボードがドライな状態(大きな役が成立しにくい)であれば、ドローを引かれる心配がないため小さめのサイズのバリューベットがおすすめされやすいでしょう。
やっぱり、色々とみて状況から判断しなくちゃならないんだね……
バリューベットにおけるベットサイズの判断は簡単ではないから、経験を積む中で焦らず自分の考えを作っていった方が良いね……!
バリューベット成功のコツは?
バリューベットを成功させるには、ハンド内容や相手のプレイスタイルに対して常に気を配ることが重要です。
- 自分のハンドがナッツなのか
- 相手はフィッシュか
- 相手はレンジは?タイトなのかルースなのか
- どこまでであれば相手がコールしてくるか
上記のようなことを考え、ギリギリのところで利益を最大化することが求められるでしょう。
適切なバリューベットの実施は、結構上級者でないと難しいですね……!焦らず少しずつスキルを磨いていくことが重要です!
また、もちろん負ける可能性が高いと判断した場合は、欲を出さずにフォールドする、ブラフベットをするなどの対応を柔軟にとることも重要です。
現時点でとれる合理的な方法を考え、実践するようにしましょう。
【まとめ】ポーカーでよく聞くバリューベットとは
今回の記事で伝えたかったことは、以下の通りです。
○バリューベットとは、自分の賞金を最大化するために行うベットのことです。
また、バリューベットを仕掛ける相手のハンドのことを「バリューターゲット」と言います。
○バリューベットを打つべきタイミングは以下の3つです。
<タイミング1>自分の手札が最も強い(ナッツ)時
→自分が現状において1番強い手札の時は、確実に勝てます。確実に勝てる場合、できるだけ賞金を増やしたいので、バリューベットをして、相手にコールやレイズしてもらい、最終的な金額を増やしていきます。
<タイミング2>相手がナッツの1つ下の強さの手札と予想される時
→相手がセカンドナッツで自分がナッツの時、バリューベットを仕掛ける最大のチャンスです。自分が負けない状況で、かつ、相手も勝ちを確信しているため、基本的にどれだけ大きく賭けたとしても、相手が勝負を続けてくれます。
<タイミング3>自分のポジションが最後に近い時
→ポーカーでは、自分のポジションが後の方であると有利です。バリューベットを仕掛ける際にも、相手の動き方を見ながらベット額を決めることができるので、より賞金を最大化できます。
バリューベットは、勝つことがほぼ確定しているパターンでしか使わないため、いかに相手を降ろさせないかを考えてベットすることが大切です。
○バリューベットの効果をあげる方法は以下の2つです。
<方法1>自分の手札を弱く見せる
→相手に手札が弱いと思わせておくことで、バリューベットをしても相手が勝負を続けてくれます。
<方法2>相手自身に「私がナッツだ」と思わせる
→相手にナッツだと思わせておけば、大きめのバリューベットをしたとしても、コールされる可能性が高いです。「ナッツだと思ってショーダウンしたら、自分がセカンドナッツだった」という状況が作れた場合は、賞金が最大化されやすくなります。
バリューベットは、繊細で緻密な計算のもと行われるものなので、ポーカー初心者が行うには少し難しいところがあります。
しかし、ポーカーで大きく勝つためには避けて通れないベットの方法です。
まずは、自分自身がバリューターゲットにならないようにし、慣れてきたところで自分がバリューベットを仕掛けられるようにしていきましょう。