『ポーカーのレンジって何?』
『レンジの基本的な考え方が知りたい!』
こんなお悩みはありませんか?
ポーカーのハンドレンジは初級者から中級者以上になるために必ず必要になってくる事項です。
ハンドレンジと言っても考え方が分からなければ、 暗記をしたとしても応用発展性がありません。
そこで今回の記事では、ポーカーのレンジについて基本的な考え方から全てを網羅的にお伝えしていきます。
ただし、各ポジションにおけるハンドレンジについては別記事で詳しく解説しているのでそちらをご覧ください。
では早速見ていきましょう!
ポーカーのレンジって何を意味するの?
ポーカーを始めたばかりの初心者にとって、中級者以上のプレイヤーが『レンジ・レンジ』と連呼しているのを聞いたことがありませんか?
実は、レンジとはハンドレンジのことを指し、各ポジションにおけるオープンレイズするべき手札の強さ(ランク)を示します。
ポーカーをやっているとカタカナが非常に多く、日本語と混じると厄介になりますよね。
だからこそ専門用語を身につけ、相手が何をしゃべっているのかを知るのが大事です。
専門用語を覚えていくと、ポーカーをプレイしている時はもちろん、ポーカー関係の本を読んだり動画を見たりしてもどんどん楽しくなってきますよ!
ハンドレンジの種類
ハンドレンジは、状況に合わせて以下の3種類に分類できます。
ここでは、それぞれの概要やポイント、考え方について解説します。
一般的ンはオープンレンジが基本であり、状況に応じてコールレンジやレイズレンジを構築します。
ハンドレンジの分類
- オープンレンジ
- コールレンジ
- レイズレンジ
オープンレンジ
オープンレンジは、プリフロップにて自分が最初にレイズを行う場合のハンドレンジのことを指します。
まず、ポーカーの基本として早くアクションを起こすポジションの方がハンドレンジは狭くなり、オープンの頻度も低くなります。
オープンレンジはハンドレンジにおける基本であり、初心者が中級者を目指すうえではまず覚えたいポイントだと言えるでしょう。
よし、まずはオープンレンジから覚えていこう……!
そうだね!ハンドレンジにおける基本的な要素が詰まっているから、良いと思うよ!
コールレンジ
コールレンジとは、他のプレイヤーからレイズが入っている状態で、コールをすべきと判断できるハンドレンジのことです。
ブラインドを払っているBBやいつも後でアクション出来るBTNはレンジが広くなりなり、それ以外のポジションではレンジが狭くなります。
コールレンジとして考えられることが多いのが、投機的なハンドや中途半端な強さのポケットペアです。
これらはとりあえずフロップを確認する流れになりやすいため、コールをすべきと判断されるケースが多いんですね!
また、強い相手にはコールレンジを狭めて、戦いやすい相手には逆に広めていくと、うまくいきやすいでしょう。
レイズレンジ
レイズレンジとは、アクションをしているプレイヤーに対してさらにレイズを返す際のハンドレンジのことを指します。
基本的には相手よりも強いハンドを持っている時の考え方ではありますが、ブラフを目的としてレイズレンジを作ることもある点は覚えておくと良いでしょう。
ポーカーのハンドレンジを知っておくメリットとは
さてここまでハンドレンジについては簡単に解説してきましたが、実際にポーカーのレンジを知っておくことでどんなメリットがあるのでしょうか。
ここで解説するのは以下の通りです。
- 相手のハンドが予測できるメリット
- 自在にハンドレンジを入れ替えることで相手をポラライズするメリット
- エクスプロイトできる可能性が高まるメリット
では早速見ていきましょう。
相手のハンドを推測できる
ハンドレンジを知っておくことで、相手の手札のランクを推測できます。
なぜなら、中級者以上が相手であればポジションにおけるオープンレイズの額が決まっているからですね。
特に中級者になりたてのプレイヤーと対戦するときは、教科書通りのオープンレイズを行なってくるため、非常に 推測しやすいです。
ただし、ポジションの大事さがわかる中級者以上となってくると、『まさか!』というハンドでオープンレイズを行うこともありますよ。
ちなみに、筆者も最近はエクスプロイトを意識して、テーブルの状況に応じてハンドレンジを動かしています。
自在に入れ替えることでポラライズする
先ほどの項目で筆者がハンドレンジを動かすことによってエクスプロイトを狙っているという話をしました。
※エクスプロイトとは、相手の戦略の裏をかきトラップにハメて搾取するのと同義です。
なぜなら、相手があなた自身のハンドレンジを意識しながらプレイしているのであれば、逆をつけば簡単に搾取できるからですね。
意表をつけたなと感じたら、ハンドをShowし情報開示することで、相手を混乱(ポラライズ)させてしまいましょう。
エクスプロイトできる可能性が高まる
もしあなたが、周りから初心者扱いをされているのであれば搾取できる可能性が高まります。
なぜなら、ハンドレンジに忠実なポーカーを打つことで、 終盤になればなるほど相手の意識につけこんで裏をかけるからです。
例えば、以下のようなシチュエーションだと分かりやすいかもしれません。
※※少し専門的な話も入るので、分からない人は先に『ポーカーでポジション別のハンドレンジを知っておきたい!』を見るといいですよ!
<UTGからのシチュエーション>
前提
- 相手はあなたをタイトアグレッシブ(UTGからの参加がランク上位10%)と考えている
- あなたのポジションはUTG53s。相手はUTG+1ハンドは分からない。
- あなたのオープンレイズは2.5BB。相手は3倍のスリーベット。
- あなたは相手のスリーベットに対してコール。
<実際のシチュエーション>
さてここまでで、ハンドレンジを知っている中級者以上のプレイヤーかつ、UTGからオープンレイズをするのであれば、ハンドレンジは非常に強いカードが多いことがわかりますね。
ただし、UTG+1から3ベットが返ってきているので、相手とのハンドレンジ差はほぼ縮まっていると考え良いでしょう。
相手はKQs以上と見て間違いなさそうです。
そこで、以下のフロップが開きます。
<フロップ>
5・3・7
この時点で、あなたはツーペアを手に入れています。
UTGオープンに対して、3ベットを返してきている場合には、相手のハンドレンジはAAやKKといったプレミアムハンドが多く、CBを打ってくる可能性が高いはずです。
<ターン>
5・3・7・3
相手から考えると完全にラグであるカードが落ちていますね。
仮にAAの場合、ハンドレンジ的に考えて77にしか負けておらず、7ポケは相手のスリーベットに対しては、フォールドする可能性が高いです。
相手側からしたら、TT以上からバリューを取るために、ポットサイズベットなどを行ってくるでしょう。
僕の場合は、ここで悩んだフリをしつつ渋々コールを演じる場面です。
<リバー>
5・3・7・3・6
最後もラグのカードが落ちました。
3ベットポットに対して、基本的にドライなボードであり、相手は相当な自信を持ってオールインを選択してくるでしょう。
ただし、あなたはフルハウスを持っていて『余裕で』コールを返せるはずです。
※今回は分かりやすいように極論をお伝えしましたが、ここまで上手くシチュエーションが回るゲームはないので注意してくださいね笑
ポーカーのハンドレンジの簡単な覚え方
さらに詳しくハンドレンジについて深堀をしていきますが、ハンドレンジ表を見たところで覚え方が難しいですよね。
そこでまずは、ハンドレンジの簡単な覚え方をここでは紹介していきます。
- 紹介する内容は以下の通りです。
- 自分のプレイスタイルを確立すること
- ハンドレンジ表をコピーしてUTGから順番に並べること
- 実際にアウトプットを行って暗記すること
この3点です。
ちなみに、暗記分野に関しては筆者が元塾講師なので安心して暗記方法を試してみてください笑
実際に僕もこの方法で自分なりのハンドレンジを構成してきました!
①自分のプレイスタイルを確立する
最初に行うことは自分のプレイスタイルを確立することです。
プレイスタイルには様々ありますが、初心者の方にお勧めできるのは以下の二通りとなります。
- タイトアグレッシブ
- ルースアグレッシブ
タイトとルースに関しては、UTGハンドレンジが上位何パーセントぐらいからオープンレイズするのかで異なってきます。
具体的数値としては以下の通りです。
- タイトアグレッシブ→上位10%
- ルースアグレッシブ→上位15%
ただしこの具体的数値についても、変数が多くプレイヤーによってかなり異なってくるので、基本的なハンドレンジになれたら自分なりにアレンジしてみましょう。
②UTGから順番に目視する
続いてハンドレンジ表をコピーして、UTGから順番に目視をしながら暗記するのをおすすめします。
なぜなら、ハンドレンジを暗唱しようとしても、意味のない複数の数字を覚えることはできないからですね。
そのためハンドレンジ表をきちんとカラーコピーを行って、視覚情報から覚えることを徹底してください。
覚えると言っても、その後のアウトプットの方が大事なのでプレイを行う15分前程度に見るだけで十分です。
③実際にアウトプットを行う
最後に重要なのが実際にアウトプットを行うことです。
アウトプットとは何かというと、 プレイをしながらハンドレンジ表に従ったオープンレースを行うことを指します。
ここで意識して欲しいのは『答えを見ないこと』です。
答えを見なければ、本当にハンドレンジとして合っていたのかどうなのかを意識でき、より深く印象付けを行なえますよ。
ちなみにプロポーカープレイヤーの方に意外と高学歴が多いのは、こういった基礎学力が備わっている可能性も高いです。
ポーカーのハンドレンジの考え方
ポーカーのハンドレンジの考え方はどのような基準に沿っていけばいいのでしょうか?
実は色々な『変数』があって意外と難しいのも事実です。
より深堀をしたい方のために、ここでは筆者が良く考えるハンドレンジの変数について解説していきます。
深堀内容としては以下の通りです。
- テーブルには何人座っているか
- テーブルの雰囲気はタイトなのかルースなのか
- 自分のスタックはどれだけあって投機的に使えるのかどうか
- バブルファクターを考える
- 残り時間を考える
以上6点です。
では実際に見ていきましょう。
テーブルに何人座っているか
第一にテーブルに何人座っているのかは必ず確認しなければいけない事項です。
なぜなら、テーブルの人数が増えれば増えるほど、あなたのハンドよりも相手のハンドの方が優れている可能性が高まるからです。
逆に言えば、テーブル人数が少なければ少ないほど、ルースにプレイした方が良いということですね。
具体例を示すと、4人のみしか座っていないテーブルではUTGからでもJTsなどでオープンレイズ3bbでプレイすることもあります。
テーブルの雰囲気を考える
続いてテーブルの雰囲気はどうなっているのかについても確認しなければいけません。
なぜなら、ルースなプレイヤーが多いのに、あなた自身もルースにプレイしていたらギャンブル性が高いポーカーになってしまうからです。
逆に言うとタイトなプレイヤーが多くなれば、ルースになった方がより搾取の可能性が高まりますよね。
このように、テーブルの雰囲気によってきちんとプレイスタイルを切り替えられるプレイヤーは上級者と言っても過言ではないでしょう。
スタックがどれだけあるか
そして、あなたのスタックがどれだけあるかも注意が必要です。
なぜなら、ブラインドに対して15bbしかないのに投機的なハンド(例:56s)のようなハンドでプレイするのは危険だからですね。
スタックが多ければ多いほど、投機的なハンドでプレイして、15BBを下回った当たりからプッシュオアフォールドの選択肢を取ると良いでしょう。
※プリフロオールインからフォールドかを選択する戦略
バブルファクターを考える
バブルファクターを考えることも重要です。
バブルファクターとは、トーナメントにおいて後一人でインマネ(入賞)が決まるといった場面でのプレイを左右する変数を指します。
その場面に限って言えば、ショートスタックのプレイヤーのチップはブラインドに示されている額よりも非常に重たくなります。
トーナメントは賞金が『出る』・『出ない』が明確に分かれているので、バブル状態でどのように立ち回るかが重要です。
必然的に多くのプレイヤーが極度なタイトに守りを固めるようになりますよ。
残り時間を考える
レンジを考える際には残り時間についても変数要因として考えておきましょう。
例えば、レイトレジスト10分前で、スタックが10BBとなっている場合、必然的にレンジを広く取りプッシュオアフォールドを仕掛けるプレイヤーが多くなります。
仮に、スタックがなくなったとしても、資金のあるかぎりスタックを回復して参加できるからですね。
残り時間とスタックによって自在にハンドレンジを変更していくと良いでしょう。
ポーカーでポジション別のハンドレンジを知っておきたい!
最後の項目ではポジション別のハンドレンジを示しながら、基本的な戦略を紹介していきます。
より詳しく知りたい方は、ハンドレンジ表を用いた記事で詳しく解説しているので、是非参考にしてみてくださいね。
EP
アーリーポジションでは、以下のハンドレンジでのプレイが多くなります。
スート(スーテッド):AT+,KT+,QT+
オフスート:AT+,KQ+,
ポケットペア:77+
※+の意味はこのカードランク以上のプレイをすることを指しています。
ただしミドルポケットでは3ベットに対して絶えきれない可能性もあるため注意が必要です。
MP
ミドルポジションでは若干ハンドレンジは広くなりますが、後に控えているプレイヤーも多いため慎重なプレイが求められます。
スート:A9+,KT+,QT+
オフスート:AT+,KQ+
ポケットペア:66+
A8sなども状況によってはレンジに入れても良いでしょう。
LP
レイトポジションからはオープンできるハンドレンジが広がってきます。
スート:A2+,K5+,Q7+J8+,T8+,98+,
オフスート:A5+,K9+,Q9+,J9+,T9+,
ポケットペア:22
BTNのハンドレンジを示していますが、タイトであっても上位30%程度でプレイすることができますよ。
SB・BB
スモールブラインドのオープンレイズレンジは以下の通りです。
スート:A2+,K2+,Q4+,J7+,T7+,97+
オフスート:A2+,K7+,Q8+,T9+,
ポケットペア:22
基本的にKやQが含まれればオープンレイズすると考えて良いでしょう。
BBに関してはプレミアムハンド以外はコールになるためここでは解説を省略しています。
まとめ:ポーカーのレンジを知って相手から搾取してみよう!
今回の記事ではポーカーのレンジについて詳しく解説してきました。
各ポジションごとのハンドレンジについては、ハンドレンジ表を用いた記事で詳しく解説しているので、その記事を読むとより理解が深まるでしょう。
特に今回は、ハンドレンジの中でも考え方に重点を置いて解説しています。
ハンドレンジも様々な変数によって変わってくることがわかりましたね。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。