『ハンドリーディングって何?』
『ダニエルネグラヌみたいに華麗にハンドリーディングをしてみたい!』
『ハンドを読めると有利なの?』
このような悩みはありませんか?
ポーカーのような不確定情報ゲームにおいて、相手の情報を確定的に推理できるようになれば、それだけで有利になってしまいますよね。
実はそのスキルはハンドリーディングと呼ばれ、特に冒頭でお伝えしたダニエルネグラヌは驚異的なハンドリーディング力を持つトッププロなんです。
そこで、今回の記事では、テキサスホールデムのハンドリーディングについて詳しく解説していきます。
この記事を読むと、ハンドリーディングの初歩の初歩が分かるので是非最後までご覧下さい。
今回のスキルは意外と高度です…!
そのため、過去記事の初心者向けに書いた戦略記事を見てもらえると幸いです。
ハンドリーディングとは
ではハンドリーディングについてここでは解説していきます。
ハンドリーディングとは、相手の手札を読み切る技術のことで、テキサスホールデムにおいて相手の手札が分かっていれば簡単にブラフやバリューベットなどが打てますよね。
もちろん完全に手札がす透けて見えれば、こちら側の絶対的な価値は揺るぎません。
ただ注意が必要なのは、相手の手札が完全に見えるのはあり得ないということです。
この点を深掘りしながら、ここでは解説していきますね。
①テキサスホールデムポーカーのゲーム性について理解しよう
ハンドリーディングを行うためにはまずテキサスホールデムポーカーのゲーム性について簡単に理解しておく必要があります。
テキサスホールデムは、将棋やチェスと違い、相手の行動に対する情報はランダム性を常に持ち続けます。
そのため、ブラフやセミブラフから発展したバリューベッドなど様々な点において、このランダム性がゲームを面白くしているのです。
基本的には、運の要素と実力の要素が3対7程度に落ち着いてくると言われており、運のバランスが程よいため熱中する人が増えているのです。
テキサスホールデムのルールについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
②完全に相手のハンドが透けて見えるということは少ない
テキサスホールデムのハンドリーディングにおいて、相手のハンドが全て透けて見えるというのはほとんどありえません。
なぜなら先ほどお話ししたように、手札は見えないように作られており、ある程度までは予測はできるが本当の正解は分からないからです。
特に、相手が負けを認めてマック(手札をshowせずに捨てること)をしたら正解は闇の中となってしまいます。
ただ、例えば初心者がUTGから5BBのオープンレイズを行ったらどうでしょうか。
ほとんどの場合、AK、AQ、AA、KKなどのプレミアムハンドに違いはなく、容易に想像がつきますよね。
仮に、あなたがブロッカーとしてAを押さえていたのであれば、Axのプレミアムハンドの確率は一気に下がります。
③様々な情報を総合的に判断する
ハンドリーディングで大事なことは、相手のハンドを全て透かして見るということよりも、たくさんある情報を複合的に観察し、ある程度までハンドレンジを狭める点です。
後ほど詳しく解説しますが、相手のプレイスタイルやポジション、スタック数など様々な点を加味して考えなければなりません。
ハンドリーディング自体、上級テクニックとなっているので初心者の方はまずポジションとハンドレンジから押さえていくといいでしょう。
では次の項目で詳しく解説していきます。
ハンドリーディングに必要な情報
実際にこの項目ではハンドリーディングに必要な情報を解説していきます。
ちなみに、ハンドリーディングの必要な情報は以下の内容です。
- プレイスタイルについての情報
- ハンドレンジ
- ゲームの違い
- 相手のスタック数
- テーブルの人数
- 相手の精神状態
この6つの項目を深堀して何を基準に考えて行かなければならないのかここでは解説していきます。
①プレイスタイル
さて、まずはプレイスタイルについて解説していきましょう!
プレイスタイルは別記事で詳細に解説していますが、基本的な考え方は各ポジションにおけるハンドレンジがタイトなのかルースなのかです。
簡潔に述べておくと、UTGで上位10%のハンドをプレイするならタイト、15%程度をプレイするならルースと考えて良いでしょう。
ただ、人によってこの定義は変わってくるので注意してくださいね。
では、実際にどんな傾向があるのか確認していきましょう。
ルースアグレッシブの傾向
ルースアグレッシブの場合、UTGで上位15%のハンドでプレイするため、ハンドをきちんと絞り込むのは困難になります。
例えば極度にルースな方だと、 UTG87sでオープンレイズを行う可能性もあります。
相手がどんなハンドを持っているのかを、絞り込みづらくするのがルースなプレイヤーの特権と言っても差し支えないでしょう。
アクション的に見てみると、コンティニュエーションベットが多かったりなど、こちらもアクションからハンド絞り込むのがかなり難しくなってきます。
タイトアグレッシブの傾向
タイトアグレッシブの場合、UTG上位10%程度のハンドでプレーする傾向が多いです。
そのため参加するハンドはだいぶ絞りやすくなっています。
例えば、UTGから入る場合にはAxのハンドで、大体A10s以上だなという具合に。
ただ一点だけ注意が必要なのは、ギアチェンジができる上級者の場合、強いハンドばかりショウしていると、アグレッションが上がってきたりする可能性もあります。
また、アクションはコンティニュエーションベット率が下がったりするので、アクションから推測することはだいぶ難しくなってきます。
パッシブ系の傾向
アグレッシブ系のハンドの推測は意外と簡単ですが、パッシブ系だとコールレンジが広くなってしまうため、ファンドの推測がだいぶ難しくなってしまいます。
ただし、コールをそこまで警戒する必要はなく、多くの場合滑っていることが非常に多いです。
そのため、エクスプロイトをする絶好の機会と考え、きちんとバリューベッドを行っていきましょう。
②ハンドレンジの違い
さて続いて先ほどからお話ししているハンドレンジの違いについてより詳しく見ていきましょう。
ハンドレンジの違いはルースかタイトかによって異なってきますが、ポジションによってもオープンレイズするハンドの強さが異なってきます。
ここではポジションごとのハンドの強さの基準を解説していきますので参考にしてみてください。
ただし、あくまで基準になるだけであり、初心者の方はどんなハンドでもリンプインする場合があり、あまり参考にならない点だけは注意してください。
ポジションの有効性がわかる、中級者と上級者以上の方と戦う際の参考にしてみてください。
SB
SBの方がレイズするレンジは非常に多岐に渡ります。
2ポケ以上のハンドでオープンする可能性が高く、コールレンジもそれに比例して多くなってしまいますよ。
そのため、あなたのポジションが有利でもローカード系が場に出てきた場合には注意が必要で、K一枚が落ちていてもツーペアを相手が完成させている可能性があります。
コールレンジが広くなれば広くなるほど、こういった大事故を防ぐ必要がでてきます。
BB
BBの場合、オープンレイズする機会はほとんどありません。
ただ、参加人数が少ない場合、プレミアムハンドやポケットハンドでリレイズを行いBB分の強制ベットをプロテクトしてくることが多いです。
例えば、BTNからオープンレイズをされている場合、7ポケ以上でスリーベットを返してプロテクトするなどが考えられますね。
既に1BB分の強制ベットを行っているため、コールレンジはかなり広くなりますよ。
また、リンプに対してのチェックレンジも広くなり、BBのチェックはかなり弱いハンドの可能性がかなり高いです。
アーリーポジション
UTGやUTG+1などのアーリーポジションは、オープンレイズするハンドランクが上位10%から15%程度に絞り込まれます。
具体的には77ポケ以上のハンドランクではほぼオープンレイズしてくるでしょう。
そのため、警戒すべきコミュニティカードとしては、ミドルカードからハイカードで、Aが落ちた場合などはあなたの勝率がガクッと下がってしまいます。
ミドルポジション
ミドルポジションがオープンループするハンドランクとしては、 UTGとあまり大差はないと考えていいです。
少なくとも7ポケ以上の可能性が高く、レイトポジションやSB・BBといったポジションの方からのスリーベットに対して対抗できなければいけないためです。
オープンレイズに対するコールレンジに関しても、同等ぐらいのハンドランクで参加していると見ていいでしょう。
レイトポジション
ロージャックからBTNまでのオープンレイズするハンドランクは徐々に上昇していきます。
特にBTNで、オープンレイズする場合、タイトなプレイヤーでもAxsであれば全てのオープンレイズが肯定されますよ。
プリフロップのアクションに関しては、レイトポジションになればなるほど、かなりアグレッションが高まってくると考えて差し支えありません。
③ゲームの違いでハンドレンジも変わってくる
キャッシュゲームか参加人数の多いトーナメントかによってハンドの参加率がかなり増減する点には注意してください。
9人座るテーブルと6人が座っているテーブルではアグレッションが上級者ほど変わってきます。
また、バウンティトーナメントの場合なども同様で、ゲーム性を加味してハンドレンジを柔軟に推定していく必要があります。
④相手の残スタックによってもハンドは変わってくる
相手の残スタッフによって、ハンドレンジが変わってくる可能性が高いのはご存知でしょうか。
なぜなら、一発逆転を狙えるハンドであれば、10BB以下になるまでにオールインをしてダブルアップを目指すのがセオリーだからです。
例えば、トーナメントの終盤戦においては15BB持ちであっても、Axでオールインすれば、例え相手がKKであってもAが落ちれば十分に勝機がありますよね。
更にバブルラインの場合、相手のハンドは異様に硬くなります。
こういった状況を考え、オールインによる圧力を掛けてチップを最低でもスチールする戦略を取ってくる方が、上級者の中には多くなります。
⑤テーブルの人数
テーブルの人数に関しても、プレイヤーのプレイ傾向に影響する要素となっています。
テーブルにいる人数が増えれば増えるほど自分のハンドよりも相手のハンドの方が優れている可能性が高まります。
その一方で、人数が少ないほどルースなプレイが可能になるのです。
人数が異なれば、お互いのプレイスタイルはおのずと少しずつ変えざるを得なくなるという訳です。
少し大げさな言い方をしましたが、4人のテーブルと10人のテーブルとではハンドレンジが異なることは、ある程度ポーカーをプレイしてきた人なら分かるものでしょう。
テーブルに何人ついているのかは確実に確認し、そのうえで他の要素も含めた総合判断をすることが重要なのです。
⑥相手の精神状態
これまで紹介した要素と比べるとやや補助的な要素ではありますが、相手の精神状態について考えることも重要なポイントです。
相手の資金やティルトの有無など、状況によっては相手が合理的な判断をできなくなっている可能性もあります。
精神状態をはっきりとは確認できない点がハンドリーディングの難しさであり面白さではあるのですが、相手の動きやプレイなどに変化がないかどうか、確認することも重要なポイントです。
ハンドリーディングの注意点
ここでは、ハンドリーディングを行ううえで覚えておきたい注意点について解説します。
ハンドリーディングの注意点
- ハンドがある程度読めても負けることはある
- ティルトにはならないように注意
ハンドがある程度読めても負けることはある
まず理解しておきたいのが、ハンドリーディングがある程度できる状態だとしても、負けてしまうことは普通にあることです。
100%相手のハンドが読めるわけではない以上、自分の想定外の事態が起こる可能性は十分にあります。
バッドビートってやつ?やっぱりハンドリーディングが上手な上級者でも運で負けることはあることなの?
運が悪くて負けることは、どんなに上級者でもありうるよ!だからこそ、ハンドリーディングができるようになってきても慢心しないことが重要なんだ!
どんなケースであっても、「100%勝てる状況」にはなりにくいのがポーカーの面白いところでもあります。
ハンドリーディングができるようになってきた時ほど、運によって負ける可能性があることは忘れないようにしましょう。
ティルトにはならないように注意
ハンドリーディングができたとしても、ティルトになってしまうと結局負けてしまう可能性が高まるため、注意が必要です。
ごめん……ティルトって、なんだっけ……?
ティルトは、感情的になることだよ!強気になりすぎたり弱気になったりして、合理的な判断ができなくなることを指す言葉なんだ!
冷静な判断ができなくなってしまい、本来は慎重になるべきタイミングで積極性を出して負けるケースは少なくありません(もちろん、その逆もあり得ます)。
ティルトになるのは負けが込むなどポーカーが原因になっているケースだけでなく、ポーカー以外の私生活が原因になっているケースもあります。
精神的に不安定な時は少し落ち着く時間を取り、自分自身や自分のプレイを見直すことも大切でしょう。
ギャップコンセプトとは?
ハンドリーディングについて考える際には、「ギャップコンセプト」と呼ばれる考え方も知っておくことをおすすめします。
ギャップコンセプトとは、「自分からレイズするハンドと、相手のレイズに対しコールする際のハンドの強さには差(ギャップ)がある」という考え方のことです。
自分がレイズする際のハンドと比較して、相手のレイズに対してコールする際には、より強力なハンドが必要になると考えられます。
この考え方は、レイズした相手はある程度自分のハンドが強いことを示していると考えられることから提唱されました。
自分でレイズする際にはブラフも含めて比較的自由に戦略を立てられますが、相手のレイズに対してこちらがブラフで対抗しても、良い結果につながることはほとんど考えられません。
レイズした相手は強いハンドを持っている可能性が高く、そこにコールするのであればかなり強いハンドを持っている必要があるためです。
レイズするくらい強気になれるんだから相手は強いハンドを持っていて、そこにコールで続くにはもっと強いハンドでないと割に合わないって感じ?
そうそう!ギャップコンセプトを知っていれば、アクションの選択に生かせるよね!逆に相手が分かっていないようなら、初心者と思って良いかもね……!
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ギャップコンセプトの概念を頭に入れておくと初心者から中級者~上級者に成長する際に役立ちます。
ハンドリーディングケーススタディ
さて最後の項目ではハンドリーディングのケーススタディを行っていきましょう。
具体的なシチュエーションを取り上げていきますのでぜひ参考にしてみてください。
①ショートスタック(10BB)からオールイン
ショートスタックからのオールインが来た場合、基本的にAx〜ポケット以上のハンドと見て良いでしょう。
なぜなら、 先ほどもお伝えしたように、Aが場に落ちれば勝率がぐっと高まりますし、ポケットであれば、AKのようなプレミアムハンドでも、50%の勝率があるためです。
②上級者がUTGでリンプイン
上級者がUTGからリンプインした場合必ず注意してアクションを行って下さい。
基本的にリンプインしてはいけないという基本ルールは知った上でのプレイになるので、プレミアムハンドなどの可能性が高まります。
その後のアクションが消極的であったとしても、リバー段階で大きくポラライズしてくる可能性もありますよ。
③初心者からリンプイン
初心者からのリンプインの場合、あまり注意する必要はありません。
こちらからレイズを返して、様子を見て、コールをしてきた場合には、ハイカード系が混じっている等が考えられます。
その後のアクションでも、何かしらのカードでワンペアができていれば、コールを行ってくる可能性があり、エクスプロイトできるチャンスが高まります。
まとめ:ハンドリーディングを行って勝利を勝ち取ろう!
今回の記事ではハンドリーディングについて詳しく解説してきました。
ハンドリーディングを極めれば、相手の手札を予測でき、簡単に勝利を掴むことができるようになります。
しかし、ハンドリーディングは様々な情報を総合的に判断して、論理的に導いていかなければなりません。
リーディングは才能ではなく、知識の積み重ねによる技術です。
テキサスホールデムの勉強を続けて、得意になってくださいね。
最後までご覧いただき誠にありがとうございました。